中国AIのKimi K3がClaude超え!?どのAIを使うことが正解なのか

お世話になっております。ダブルループの福田です。

ビジネスパーソン、こと技術職の間ではAnthropicのClaude Fable 5
2026年上半期時点では最も性能が良いとされていました。

そんな中、中国製AI「Kimi K3」Claude Fable 5の性能を超えたというニュースが入ってきました。

今回はそのニュースをもとに、どのAIを使うことが我々企業にとっては正解で
業務を最適化してくれるのかを考えてみました。

中国AIのKimi K3がClaude超え!?どのAIを使うことが正解なのか

中国製AI「Kimi K3」が注目されています。

新しいAIが登場すると、性能や価格の比較に目が向きがちです。
実際、Kimi K3は最高性能AIとよばれるClaude Fable 5を上回る評価を獲得した
というニュースが出ています。(それも利用コストは1/5と…)

ただ、企業利用では「どのように作られたAIなのか」という視点も欠かせません。

今回はKimi K3を題材に、AI開発で使われる「蒸留」と、企業がAIを選ぶ際の考え方を整理してまいります。

まず、AI開発における蒸留とは、高性能なAIが持つ能力を別のAIに受け継がせる学習方法です。

一般的に、もとになるAIを「教師モデル」と呼び(位置づけ)、学習する側を「生徒モデル」と呼びます。
教師モデルが示した回答や判断の傾向を生徒モデルに学ばせることで、
より小さく、動作が速く、運用しやすいAIを作りやすくなります。

チープな例えですが、大学受験の予備校を皆さんが新たに設立したとします。
そして、大手予備校のカリスマ講師を招いて、カリスマ講師育成講座を開き、
ハイレベルな(それも給料の安い)講師を育てて抱えるような方法が蒸留です。

ここでのポイントは、蒸留そのものが問題なのではない・・・という点です。

自社で開発した教師モデルや、利用許諾を得たデータを使う場合、蒸留は効率的な開発手法の一つです。

一方、第三者のAIサービスへ大量にアクセスし、その出力を許可なく学習に利用した場合は、
利用規約、知的財産、競争上の公正さといった別の問題が生じます。

教師モデルと生徒モデルの関係について、先ほどのカリスマ講師育成講座に置きかえてみます。

受講者(カリスマ講師予備軍)が正規の講義で学ぶことと、
許可なく大手予備校の教材を複製して自身の講座で使用することは同じではありません。

自身の生徒に対する最終的な提供物(受験コンテンツ)を作る過程を見ると、
同じ「学習」に見えますが、情報を入手した方法と、利用する権利の有無によって評価は変わるはずです。
※カリスマ講師予備軍が自ら学んだ内容をもとに、独自の教材を作り、
独自の色を加えた指導を行えば問題はなく、他者の教材を使って、
他者と全く同じ指導を行ったとしたら問題になります。

AIの規制や調査が難しい理由は、学習過程を外部から確認しにくいことにあります。
AIサービスは国境を越えて利用でき、APIを通じて大量の回答(学習データ)を取得することが可能です。
どのデータが、どの段階で、どのように使われたのかを第三者が検証する仕組みは、
まだ十分に確立できているとは言えません。

そのため「規制が弱いから蒸留が行われる」という単純な話ではなく、
正当な蒸留と不適切なデータ取得を見分ける調査体制が、技術の進歩に追いついていない
と現時点では捉える方が適切だと私は考えてます。

では、雨後の筍のように台頭する高性能AIですが、われわれ企業はどのAIを選ぶべきでしょうか!?

選定するにあたっては性能や費用だけでなく、入力データの扱い、保存先、利用規約、出力物の権利、開発方針の透明性、サポート体制まで確認する必要があります。

特に機密情報や顧客情報を扱う業務では「高性能だから使う」のではなく、
「自社のリスク基準を満たすから使う」というリスクに対する優先順位が重要だと私は思います。

すべての業務を一つのAIに任せる必要もありません。

公開情報の整理、文章の下書き、社内データの分析など、用途ごとにAIを使い分ける方法があります。

まずは限定した業務で試し、入力してよい情報の範囲を決め、必要に応じて人が確認する・・・

この運用設計が、モデル選び以上に重要になる場合もあります。

機密情報を使わない単純作業の効率化のためのAI活用ならば蒸留モデルのAIを
安価に利用した方がコストパフォーマンスが良いケースがあるはずです。

一方で情報リスクが高い場合はChatGPTやClaudeのような高性能AIで限定的に
利用した方が安全かつ有能であることがあり得ます。

Kimi K3の性能のニュースから学べるのは、AIの価値は性能表だけでは判断できないということです。

企業(利用者)が考えるべきなのは、何ができるかに加えて、どのように作られ、どのような条件で使えるか

これからのAI活用では、性能、コスト、透明性、ガバナンスを合わせて考えることが求められます。

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執筆者紹介

福田英明
福田英明
株式会社ダブルループ 代表取締役

明治大学卒業後、大塚商会に入社、営業経験を経た後に楽天株式会社に転職。
楽天ではビジネスマッチングサイト「楽天ビジネス」にて営業・コンサル・マーケティング・事業企画の業務に従事。
2010年に、株式会社ダブルループを設立後、多くの企業のホームページ制作及びWEBコンサルティングを行う。
また、大小問わず様々な企業にて、WEB戦略に関する講演を多数行っている。
累計講演回数150回以上。

【著書】
「まるっと1冊でわかる! 起業を決めたら最初に読む本」翔泳社
第三章 「ホームページ作成で必要なこと」執筆
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